『94歳からの挑戦!』シリーズとして以下の内容で配信を予定しています
| 第1章 日本の介護の現実と誤解 1 – ① 高齢化社会の現状データ 1 – ② 「介護=お世話」という誤解 1 – ③ 「年だから仕方ない」という思い込み 1 – ④ お世話中心の介護がもたらす「寝たきりの連鎖」(今回の記事) 第2章 94歳からの挑戦 ─ 祖母の奇跡の7ヶ月 第3章 「歩ける身体」が介護を変える 第4章 介護予防の新しい常識 第5章 ビジネスケアラー世代へのメッセージ 第6章 イキイキFit®が提案する新しいアプローチ 第7章 未来の介護を変えるために |
第1章 日本の介護の現実と誤解④
お世話中心の介護がもたらす「寝たきりの連鎖」
介護というと「お世話をすること」と考えられがちです。
しかし、お世話中心の介護には大きな落とし穴があります。それは、高齢者の「できる力」を奪い、結果的に「寝たきり」の状態を招いてしまうことです。
例えば、立ち上がる動作に不安があるからといって、常に手を貸してしまうと、本人が自分の筋肉を使う機会は失われます。歩行の不安から外出を控えれば、足腰はさらに弱り、気持ちも塞ぎがちになります。
こうした小さな積み重ねが、「もう歩けない」「自分ではできない」という思い込みにつながり、寝たきりを早めてしまうのです。
お世話中心の介護は、家族にも大きな負担をもたらします。
おむつ交換や食事介助、移動の補助など、生活のほとんどを担うようになれば、介護時間は増え、仕事や自分の生活にしわ寄せが出ます。
介護離職や家族関係の悪化は、この構造から生まれることが多いのです。

さらに、社会全体にも影響があります。寝たきりが増えれば医療費や介護費は膨らみ、国の財政を圧迫します。転倒・骨折による入院、長期的な介護サービス利用は、本人・家族・社会の三方すべてに重い負担を背負わせるのです。
介護のあり方を考える時が来ています。
この「寝たきりの連鎖」を断ち切るには、介護の在り方を変える必要があります。大切なのは「お世話する」ことではなく「自分でできる力を取り戻す」こと。
歩く、立つ、食べる──小さな行動の積み重ねが、高齢者の尊厳を守り、 介護負担を減らすのです。
私の祖母が94歳から再び歩けるようになった経験は、その可能性を示しています。本人が動ける時間を1日でも長く持てれば、家族の負担は軽くなり、 社会全体も持続可能になります。
介護を「仕方ない」と諦めるのではなく、「改善できる」と信じて行動すること。それが未来を変える第一歩なのです。