『94歳からの挑戦!』シリーズとして以下の内容で配信を予定しています
| 第1章 日本の介護の現実と誤解 1 – ① 高齢化社会の現状データ 1 – ② 「介護=お世話」という誤解 1 – ③ 「年だから仕方ない」という思い込み 1 – ④ お世話中心の介護がもたらす「寝たきりの連鎖 第2章 94歳からの挑戦 ─ 祖母の奇跡の7ヶ月 2 – ① 祖母が寝たきりになった経緯 2 – ② 家族の不安と葛藤 2 – ③ 自立支援の小さな一歩(食事・運動・声かけ)(今回の記事) 2 – ④ 7ヶ月で歩行を取り戻したプロセス 第3章 「歩ける身体」が介護を変える 第4章 介護予防の新しい常識 第5章 ビジネスケアラー世代へのメッセージ 第6章 イキイキFit®が提案する新しいアプローチ 第7章 未来の介護を変えるために |
第2章 94歳からの挑戦 ─ 祖母の奇跡の7ヶ月③
自立支援の小さな一歩(食事・運動・声かけ)
祖母が寝たきり状態になったとき、私たち家族は「少しでも自分の力を取り戻してもらいたい」と思い、できることから取り組み始めました。大きなことをいきなり目指すのではなく、「小さな一歩」を積み重ねることが大切だと考えたのです。
食事から始める支援
まず見直したのは食事です。高齢者になると食欲が落ち、タンパク質や水分が不足しがちです。筋肉や体力を維持するには、タンパク質・ビタミン・水分が欠かせません。祖母の食事に卵や魚、豆腐などを意識して取り入れ、 こまめな水分補給を促しました。
小さな変化でしたが、体調や表情に少しずつ明るさが戻ってきました。

運動はほんの数分から
次に取り入れたのは運動です。といっても、最初はベッドの上で足首を動かすだけ。ほんの数分の運動でしたが、「動ける」という実感が祖母に自信を与えました。
その後は椅子に座って足を上げる運動、立ち上がりの練習と、少しずつ段階を上げていきました。

声かけで「やる気スイッチ」を押す
当時、中学生だったひ孫は「おおばあちゃん、頑張ってるね」っていつも
応援をしていました。その度にガッツポーズをして「頑張るの!」って
反応していました。大正生まれで戦前・戦中・戦後を経験した女性は強い。と感じていました。
このように、何より大切だったのは声かけだったと思います。
「一緒にやってみよう」「少しできたね」と励ますことで、祖母の表情は変わり、やる気が生まれました。「私はもう歩けない」というあきらめから、「まだできることがあるかもしれない」という気持ちに切り替わったのです。
この「食事・運動・声かけ」の3つの小さな工夫は、特別な道具や専門知識がなくても家庭で取り入れられるものです。
そして、この積み重ねこそが祖母の回復の土台となりました。
介護は「大きなこと」をしようとすると負担が増え、続きません。大切なのは「小さな一歩」を毎日積み重ねること。それが自立を取り戻すための最短の道だと、祖母との経験から強く実感しました。