『94歳からの挑戦!』シリーズ 第2章 94歳からの挑戦 ─ 祖母の奇跡の7ヶ月④ 7ヶ月で歩行を取り戻したプロセス

『94歳からの挑戦!』シリーズとして以下の内容で配信を予定しています

 第1章 日本の介護の現実と誤解
  1 – ① 高齢化社会の現状データ
  1 – ② 「介護=お世話」という誤解
  1 – ③ 「年だから仕方ない」という思い込み
  1 – ④ お世話中心の介護がもたらす「寝たきりの連鎖
 第2章 94歳からの挑戦 ─ 祖母の奇跡の7ヶ月
  2 – ① 祖母が寝たきりになった経緯
  2 – ② 家族の不安と葛藤
  2 – ③ 自立支援の小さな一歩(食事・運動・声かけ)
  2 – ④ 7ヶ月で歩行を取り戻したプロセス(今回の記事)
 第3章 「歩ける身体」が介護を変える
 第4章 介護予防の新しい常識
 第5章 ビジネスケアラー世代へのメッセージ
 第6章 イキイキFit®が提案する新しいアプローチ
 第7章 未来の介護を変えるために

 

第2章 94歳からの挑戦 ─ 祖母の奇跡の7ヶ月④

7ヶ月で歩行を取り戻したプロセス

「もう歩けないかもしれません。」
医師のその一言が、私の心に重く響きました。

2016年、私の祖母は突然、寝たきりになりました。
原因は、転倒による腰椎圧迫骨折。
でも、本当の理由は

—— 筋力低下だった。

年齢とともに少しずつ進んでいた筋力弱りが、ある日身体を支えられなくなった。
私も家族も当時、なにもわからなかった。ケアマネがいるし
特にやることも言われてないし・・・
本当は足腰の筋力は静かに、そして確実に失われていたのです。

けれどここからが、94歳の挑戦の始まりでした。


■ 「やるしかない」に変わった日

大正9年生まれの祖母は、デイサービスも行きたくない。入居施設なんでとんでもない。
「最後まで自宅でいたい」と願っていました。

祖母の最後の願いを叶えるなら「やるしかない!」
私の母も当時74歳。老老介護です。
私も、シングルマザーで仕事もあり、子どもたちの学費を稼がなくてはいけないし。このまま、寝たきりになったら大変!でも、不安が募るばかりでした。

そこで、リハビリをお願いしましたが、月に2回しかきてもらえない。
なんなんだよ!
月に2回じゃ歩けるようになる訳ない!
これだから、日本は寝たきりが多いんだ。ここで初めて介護業界の本質が見えてきました。

痛みがあり、ベッドに座ることすら難しい状態でした。


リハビリは10秒座り、10秒ふくらはぎを動かし、深呼吸をする。
それしかできない状態でした。
これなら、私にもできる。毎日やらなければ変わらない。
私は、運動指導者としての経験から「確信」しました。
そこで、覚悟を決めて「ベッド上でできる筋トレ」を考案して
当時、74歳の母親にやり方を教えて毎日、運動を実践しました。

そんな中
祖母は私に言いました。

「はやく、お迎え来ないかな・・・」

私は言葉が詰まりました。
しかし、

「大丈夫!治るから。頑張ろうよ」

祖母の顔はさみしく・惨めな顔でした。
すごく、複雑な思いでしたが
この日から、私たちの挑戦はスタートしました。


■ 運動は“激しいもの”じゃなくていい

祖母に行った運動は、単なる「体操」ではありません。

✔ 足の筋肉を呼び覚ます
✔ 神経と筋肉の連携(運動制御)を戻す
✔ 「できた」という成功体験を積み重ねる

この3つがポイントでした。

1日15分。
ベッド上から座ったままでできるものと
少しづつ負荷を変えていきました。

  • かかとの上げ下げ
  • 太ももへのタッチ
  • 呼吸に合わせた姿勢調整
  • 膝の曲げ伸ばしなど

最初は 少ししかできなかった運動ですが
とにかく、毎日実践しました。

大事なのは量ではありません。

「昨日と同じこと毎日やる」
これが、高齢者のリハビリの本質です。


■ 4ヶ月目:ポータブルトイレで用がたせた!

4ヶ月目。
ある日突然。祖母は一人でベッドの横にあるポータブルトイレがで用を足せるようになっていました。

母も私も本当にびっくりしました。
その日から、食事もに飲み物も自由に取れるようになり
みるみる回復してきました。

でも、「また転んだらどうしよう」

  • だけど、心配していても仕方ない。
  • ここから、筋トレメニューをしっかり管理しました。
  • とにかく、筋力アップしかない!

すると、祖母の声がだんだん大きくなり。

「まだまだ、頑張れる!」

その笑顔は、若返ったようでした。


■ 7ヶ月後、歩行を取り戻す

挑戦から7ヶ月。
祖母は杖を片手に、自分の足で歩けるようになりました。

歩幅は小さくても、スピードは遅くても、それはまぎれもなく、

『自力歩行』

でした。

家族も涙が出るほど驚きました。
そして祖母は笑ってこう言いました。

「歩けるって、すごいね」

この瞬間、私は確信しました。


■ 「年齢ではなく、やり方」

歩けなくなった原因は“老化”ではありません。
取り戻せた理由も“奇跡”ではありません。

✔ 正しい運動
✔ 適切な刺激
✔ 達成感の積み重ね
✔ 家族の関わり方

これらが揃えば、94歳でも歩ける身体はつくれます。

祖母の歩行回復は、特別な才能ではなく、
「小さな習慣の積み重ね」の結果だったのです。


■ 最後に伝えたいこと

介護は「できなくなるのを受け入れる時間」ではありません。

「できる力を取り戻す時間」をつくることです。

もし、あなたの大切な家族が
「歩けなくなってきた」「弱ってきた」と感じたら、
諦める前にこう問いかけてください。

『本当にもう無理?それとも方法を知らないだけ?』

94歳の挑戦が証明しています。

 
人は、何歳からでも、変われます。

 


 

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